勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

日産ゴーン問題に金の魔力、恐ろしさを見た

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少し前まで、連日のように、元日産自動車会長のゴーンの疑惑が報道で明らかにされていた。
年収を過少報告したとか、会社の金で家を買ったとか、全く仕事をしていない姉に高額な報酬を払っていた、など、調べるときりがない。
 
事実であれば悪いことであり同情する余地もないが、あえて心情を察してみると
「はーん、金の魔力に憑りつかれて、欲を押さえられなかったんやろなぁ」
などと、報道を見た人なども思ったのではないだろうか。
 
しかし、しかしである。
ゴーンにはごまかさなくても10億円もの年収があったと報じられている。
つまり税金を引かれたとしても3、4億円もの金が、毎年入ってきていたのだ。
「十分じゃん」と、俺のような一般ピープル、庶民、小市民は思う。
しかしゴーン氏は小市民ではないからこれに満足することができず、もっと金がほしい、なんで金が入ってこんのじゃぼけ、
なんで租税、タックスでこんなに持っていかれなあかんのじゃ、それかて俺の金やぞ本来は、などと思ったのだろう。
 
手に入れたことなどないから想像しかできないが、もしいま俺が3億円を手に入れたら、すぐさま会社を退職し無職ライフを謳歌するだろう。
これは、「3億円あったら一生暮らしていけるだろう」と思っているからこそできることであり、なおかつ、「生きていくのに十分な金さえあれば、働きたくないし働く意味がわからない」からである。
ところがゴーンはそうではなかった。
そんな金額が毎年入ってくるのにも関わらず満足することなく、もっと金を欲しいと彼に思わしめたのは、いったい何だったのだろうか。
 
 
おそらく、ゴーンの周りには、ゴーンに絶大な忠誠を捧げていた部下が多かったに違いない。
しかし彼らはゴーンという人物の人格に魅力を感じて仕えていたのではなく、単にそうしていれば多額の金銭を支給してくれるからそうしていたのだろう。
俺だって、5万円もらえるのなら靴でも頭でもなんでも舐めるし。
そしてゴーンだってアホではない、当然そのことに気づいていただろうし、だからこそ部下が離れていくのが怖くて、より金を稼いで忠誠心を強化したろ、と思っていたのではないか。
 
もうひとつ、ゴーンの金への強大な執着心には、ギャンブルがあったのではないかと推測する。
つまり、俺は競馬でひとつのレースに3万円張ったら、相当ドキドキしながらそのレースを見ることになるが、これが3000円であればそんなことにはならず、川のせせらぎを見ているかのような気分でレースの結果を見守ることができる。
だが、15年前の俺であればそうはいかず、3000円といえどもゴール前では心臓ドキドキ、勝ちそうなものなら絶叫してしまっていた。
その違いはひとえに、15年前のおれは全く金を持っていなかったが、今はまあふつうに給料をもらえているわけで、それ相応の金銭感覚に変異した、ということである。
当然ゴーンが1レース3万円でワーキャーすることなど全くないだろうから、ギャンブルの醍醐味を味わおうとすれば当然、掛け金を上げる必要がある。
身の程を知らずに1レースに5000万、1億などやっていれば、負けてしまった時のダメージ補填も特捜レベルだ。
実際、「FXの損失を会社の金で補填してた」という報道もあったし、十分ジャンキーと言える。
 
しかし、本当のところはわからない。
「競馬で2万円負けた、もう引退しよ」などと繰り返し言っている俺などとは、住む世界が違うどころか、もはや別の種類の生き物なのだから。