勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

もうすぐ40歳だし趣味からは解放されたい

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「趣味はなんですか?」
 
という質問がある。
早くは就職活動、合コン、SNSに登録するプロフィールなど、いろんなところで何度も尋ねられることだが、いまだにこの問いに対する答えを見いだせないでいる。
 
そもそも
「趣味はありますか?」
ではなく
「趣味はなんですか?」
としている時点で、趣味は「あるはずのもの」と質問者は考えていることがわかり、このことが
「ないです」
と答えづらい理由のひとつとなっている。
 
それに対して空気を読まず
「趣味はないです」
などと返答すると、
「えーほんとですか? 休みの日どうしてるんですか?」
などと言われたりするが、趣味などなくても休みの日が来たからといって困り果てることなど当然なく、それはやってきて、何事もなかったかのように終わるので、これといって支障はない。
貯まってる録画したテレビ番組もあるし、YouTubeもあるし、AmazonNetflixがあるから、休日なんて気がついたら終わっている。
しかしどうやら世の中の多くの人が
「趣味がないと休日に困る」
と思っているようなのだ。
 
たしかに俺にも「趣味を作ってみたろか」と思っていた時期もあった。
必要もないのに車を購入し、ドライブと称してあてもない移動を楽しもうとしたが、売却するまでの7年間、ついに「乗らないともったいないから乗る」の境地を抜けだすことはできなかった。
楽器経験ゼロにもかかわらず30代半ばにしてエレキベースを購入したが、教本にあったRCサクセションの『雨上がりの夜空に』でもう脱落してしまった。
ダムを見るのは好きだが、行って年に数か所、趣味といえるほどのものではない。
最近キックボクシングジムに通うようになったが、中年太りの解消が目的であって、俺がいま腹筋バキバキ全身ムキムキ体形であれば、通うことはない。
「趣味は仕事です」と言えるほどの仕事人間ではない。
麻雀もあまりに負けが続きすぎて、断っていた時期があった。今は少し再開しているが。
趣味欄に書けるものが存在しないのである。
 
継続具合ややる頻度を考慮すれば、強いていえばツムツムが趣味ということになるのだろうが、これはこれで具合が悪い。
考えてみてもらいたい。
転職を志望する36のおっさんが、履歴書を出してきて「趣味:ツムツム」と書いてあった場合、このおっさんは選考を通過するだろうか。
婚活パーティーで女性から「趣味はなんですか?」と尋ねられ、「ツムツムです」と答えたおっさんに、女性は魅かれるだろうか。
だいたいどうして就職・転職の履歴書に「趣味・特技」なんて欄があるのか。
業務と関係ないではないか。
 
というわけで、「趣味はなんですか?」と聞かれるたびに、俺は途方に暮れてしまうのだ。
 
そういえば、新卒の時の就職活動の時、「趣味は人間観察です」などとぬかしていた奴らがいたが、あれは、これは俺と同様にあまりに書けることがなく、しかし選考だから「なし」と書くわけにもいかず、
「ああ困ったううやばいやばいやばいどうしようどうしようどないしょどないしょこのままでは就職できない露頭に迷うしかない」
「もうなんでもいいから適当に書いたろ。
 ああでも『バイク乗ります』って書いて、面接官が『僕もなんだよ、何乗ってるんだい?』なんて聞いてきたら、嘘がばれてしまうどうしよどうしよ」
「せや! つっこまれてもいいように、普段からやってることにしたらいいんや」
「でもなんやろ普段からやってることって。『趣味:生きる』なんて書くわけにもいかんし。ううむ」
「そっか! 『人間観察』って書いたら何聞かれても凌げる! 生き残った!」
という経緯で、恥を忍んで書かれたものである。
従って、「趣味:人間観察」と書いている人を見つければ、それは「趣味はありません」と言っているのと同じなので、優しい目でみてあげてほしい。