勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

初めてのスマートフォン、初めての電子レンジ

f:id:suzuki1001:20200813013042p:plain

先日、「はじめてスマートフォンを使ってみてはいかがでしょう?ていうか使えよ」という趣旨のテレビCMを見た。
 
それを見て俺は驚愕した。
理由は、今が2020年だからである。
 
今や電車に乗れば、乗客の100%がスマートフォンを眺めている。
100%といえば「いやそんな訳がないだろう嘘をつくな」と仰る、苦言する人もいるだろうが、そんな人には一度電車に乗ってみてもらいたい。
俺の主張が間違いではなく、ましてや誇張でもないことがわかるはずだ。
 
俺の記憶が正しければ、多くの人が初めてスマートフォンを手にしたのは2008年ころからである。
インターネットも快適に閲覧できる、アプリケーションも豊富にあって様々な機能が活用できる、など、それまで広く使用されていたいわゆるガラパゴス携帯」と比較して圧倒的に便利だし楽しいじゃん、ということで、いまやガラパゴス携帯」を使っている人など見かけることは全くない。
 
なのに、にもかかわらず。
「はじめてのスマートフォン」を訴求するテレビCMを見て、俺はこう思った。
 
「いや、もうスマートフォン使ってない人なんていないだろ」
 
だがしかし、本当に一人もいなければ、大企業が多額の予算を投下してテレビCMを行うわけがないのだから、まだスマートフォンを使ったことがない人は一人どころかめちゃめちゃたくさんいる、ということになる。
もちろんどのような製品を使いどんな暮らしをするかはそれぞれの人の自由、現代はみんなの自由が最も尊重されるべき社会ではあるが、2006年にウィルコムW-ZERO3を手にしてからスマートフォン歴14年、バリバリに使いこなしていると自負する俺は、まだスマートフォンを使ったことがない人にたいして、「科学技術に取り残された前時代的な人」「最新の生活様式を取り入れようとしない怠け者」と思い込んでいた。
 
調べてみたら、まだ端末サイトがあることに驚いた。
 
 
この4月に電子レンジを購入した。
コロナウイルスの感染拡大で食品買い占めや飲食店の営業停止が続くのではないか、と言われていた時期だ。
料理が一切できない俺は、6年前に離婚して一人暮らしを再開してからは毎日欠かさず外食をしていたが、「もし冷凍食品やチルド食品しか手に入らないような事態になったら、何も食べられないのってやばくね?」と恐ろしくなり、あわてて家電量販店に向かったのだった。
 
それから4ヶ月。
コロナ禍によって、世の中全体と同じように、俺の生活も大きく変わった。
自宅勤務と飲食店の時短営業が続く日々に、これまで全く足を運んだことのなかったスーパーマーケットにも頻繁に訪れるようになった。
これまでは出来合いの弁当とパンくらい、そして酒くらいしか買うことがなかったが、今の俺には強い味方がいる。
それはもちろん電子レンジ。
スーパーマーケットの陳列棚で圧倒的最大勢力を有する冷凍食品およびチルド食品を、俺は調理する能力を獲得したのだ。
そしてそれらが驚くほど美味い。
主菜を調理、続いて副菜を調理、最後に主食を調理、といった風に、俺の家の電子レンジは毎食フル回転させられるようになった。
最早、電子レンジ無しの食生活は考えられないくらいだ。
 
今日も回転する内部を見ながら「電子レンジって便利だなあ、もっと早く買っていたらよかったなあ」とつぶやいたその時、俺は気がついた。
まだスマートフォンを使ったことがない人ではなく、俺こそが科学技術に取り残されていたのだと。