勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

シーツを買いに行ったら革命を知った話

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ある日目を醒ますと、シーツの繊維がすり切れて穴が空いていた。
なぜ?と思ったが、よく見るとそれ以外の部分も布が薄くなっていて、いつ穴が空いてもおかしくない状況で、どうやらずっと使い続けている間にすり減ったようだ。
 
このシーツを買った時のことはよく覚えている。
2015年の春のことだった。
なぜ覚えているかというと、俺はその時、結婚していたにも関わらず家出をして独り暮らしをするためにワンルームの賃貸契約を締結、ベッドその他家財一式を購入したからであって、しかも同時に10年以上勤めた会社をから転職活動中、そんな人生激動の最中だったから余計に印象に残っているのだ。
いわば、このシーツは俺が第2の人生を歩み始めたころからずっと使用しており、盟友と言っても過言ではない。
そんなシーツがついに寿命を迎えてしまったのだ。
しかし、悲しみに打ちひしがれている暇はない。
なぜなら我が家のシーツは二交代制で、残ったシーツの負荷が高まってしまう。
 
俺は6年前にシーツを購入した店を訪れた。
すると、なんということだろうか。
俺が必要としているシングルサイズのボックスシーツは販売していなかった。
ダブルサイズはあるが、シングルサイズは取り扱いを終了しているらしい。
ただでさえ単身者は昨今、社会的に形見が狭くなっているというのに、こんなところでも虐げられなければならないのか、俺は絶望してしまった。
 
しかし、落胆している暇はない。
家で相方を失ったシーツが待っているのだ。
俺は新宿にある、ビックカメラユニクロが合併した商業施設「ビックロ」に向かった。
 
なぜビックロなのか、そうお思いの方もいらっしゃるかもしれない。
しかし、俺は知っている。
ビックカメラには何でも売っているのだ。
 
見込みどおり、ビックロビックカメラ部分には寝具コーナーがあって、シーツがたくさん並んでいた。
当たり前のことだが、シングルサイズもあった。
いや、当たり前と思ってはいけないのかもしれない。
当たり前の生活を享受できている俺は幸せなのだ。
 
シーツは色と素材で分類されており、ほぼ全部綿100%なのだが、同じ綿でも種類や縫い方などで質感に違いがるようで、それは価格にもダイレクトに反映され、3000円から7000円くらいの幅でいくつか選択肢があった。
こういう時俺は、一番安価なものを選べないほどには見栄っ張りで、最も高価なものを選ぶこともできないほどには貧乏性である。
しかし寝具は生活の質にとって非常に重要である。
なぜなら、人生の4分の1くらいの時間をその上で過ごすのだ。
ケチるとこではない、いや、しかしどれもそんなに差はないのでは。
俺は30分くらい悩んだ。
最初は「ご案内いたしますよ」と優しく話しかけてくれた店員さんも、それぞれの特徴を説明したにも関わらずずっと悩んでいる客に愛想をつかしたのか、どこかへ行ってしまった。
そして悩み抜いた結果、穴が空いてしまったものより厚手で長持ちしそうな5000円ほどのシーツを選択。
 
やっとの思いで決めたシーツだったが、ここでまたひとつ問題が浮上した。
家に帰れば穴の空いていない掛け布団カバーと枕カバーがあるのだが、売られているどのシーツとも色が異なるのだ。
色を合わせようと思えば、これから買うシーツと同じ色の掛け布団カバーと枕カバーも買うしかない。
シーツと合わせると1万円を超える。
違う色で我慢するべきか、それとも部屋内の色調の統一感を重視して寝具3点セットの色は統一するべきか。
ここでまた30分ほど悩み抜いて、俺はシーツに加えて掛け布団カバーと枕カバーも購入した。
 
1時間悩み続けた俺は這々の体になりながらビックロを退出しようとして、ビックカメラ階の下にあるユニクロ階を通り抜けようとしたら、ユニクロにもシーツが売っているのを発見した。
1980円、エアリズムシーツ。
もう必要なくなっちゃったけど、触ってみるといい感じ。
そういえばエアリズムってマスクもあったよな、ユニクロってやっぱすごいな、革命的だよな。
そう思いながら、さっき買った3点セットの重みを右手に感じつつ帰宅、うるる。