勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

トーク界のひねり王子こそ最強説

どうすれば女にモテるか。いつの時代にも、男にとって最大のテーマである。

夜に出回っている「◯◯な男が女にモテる」の◯◯に当てはまる言葉には、数多のパターンがあり、それはその言葉を発信する人の性別、年代、恋愛遍歴、人生において何を大切にしているかの価値観などによって変化する。
 
それらの中で一大勢力となっているもののひとつに、「話が面白い男が女にモテる」というものがある。モテたい男性がモテる男性を目指すために読む雑誌に書いてあるのを見たことがある。
 
俺はこれは罪作りな命題だと思っていて、というのも、

「イケメンがモテる」…ブサメンがイケメンになることは(メスでも入れない限り)ムリ
「背が高い男がモテる」…頭にシリコンを入れないとムリ。入れて頭の位置が高くなったとしてもモテるようになるとは思えないからムリ
「運動神経がいい男がモテる」…イケメン同様、持って生まれたものが大きいから、いい年になって挽回するのはムリ
「お金を持っている男がモテる」…仕事をがんばったところで給料が上がるわけでもないからムリ。仕事をがんばるほど収入があがるのは経営レベルの人であり、そんな仕事ができる人たちはそうなった時点でモテているに違いないから関係ない
「おいしいお店に詳しい男がモテる」…舌がバカなのは生まれつきだから詳しくなろうはずもなくムリ
「マメな男がモテる」…マメに連絡しようにも、連絡するようなネタがないからムリ。そもそも毎日人に伝えることがあるような行動力があって楽しい生活を送っている人はその時点でモテているに違いないからこれも関係ない
 
であるため、これらの◯◯は、自分が生まれる前の受精の瞬間からやり直さなければならず当然そんなことはムリだから諦めてそこそこの人生を歩んでいこうという結論にしか到達しない。一方で「話が面白い男が女にモテる」はそうではない。「俺もがんばったら面白い話ができるようになるかも? トーク力を鍛えていっちょモテたろ」と思わせる余地を残しているのだ。
 
しかし、これには大きな問題が横たわる。「話が面白い」は「足が速い」や「背が高い」などと異なり絶対的な尺度ではないということだ。
 
言い換えると、「自分が面白いと思う話を、聞いている相手が同じようにそれを面白いと思うとは限らない」という問題がある。

これに気がつかないまま話しているどういうことになるか。
 
ほら俺の話面白いやろ、だってそら当たり前や。宇宙人に出会った話を面白いと思わんやつがこの世にいるわけがない。ほら、ほら。え? なんでこの子笑わへんの? ほん? うん? …うわーこの人の話マジつまんない、ってか意味わかんない。ほんとムリ。早く帰って○美とLINEしたいんだけど。いっそダッシュで逃げようかしら。
 
といった悲劇が訪れる。
 
「じゃあどうしたら面白い話ができるようになるの?」という問いが出るのが自然な流れだけど、明石家さんまレベルのトーク力の持ち主ならいざしらず、凡人が誰しもにウケる話をできるようになるなんて、到底無理。
 
そこで最近俺が可能性を見出しているのが、「あえて全く関係ないテーマの話題に無理矢理移行するトーク術」というもの。これはどういうものかというと、
 
(腕時計の話をしていて)「腕時計といえば最近よく腹筋してるんだけれども…」
(腹筋の話をしていて)「腹筋もそうだけど、やっぱ人生ってさ…」
(人生の話をしていて)「人生ってリポビタンDに似てるよね…」

 

と、何でもいいから無理矢理に別の話題につなげる会話術だ。
 
「術」といっても何か索があるわけではなく、「リポビタンDに似てるよね」と言った後に、人生とリポビタンDの似ているところを探すだけなのだ。しかし、人間追い込まれると思いもよらぬ能力が発揮されるようで、案外共通点がぱっと出てくるものである。
 
ただこれには瞬発力と同時に、それを裏打ちする相当の知識量が求められる。しかし人はスタートラインに立たない限り、学ぼうとしないのだ。
 
その半面、これがキレイに決まった時のインパクトは絶大だ。それぞれの中身は面白くなくても、「そのテーマとそのテーマを結びつけましたか!」という感動は、あなたへの「話が面白い人」という評価に結びつけるには十分であろう。きっとあなたと話し相手は、古舘伊知郎氏の流れるような実況を思い出すことだろう。そう、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラのことを「リオの関節カーニバル」と呼び、ボブサップを「筋肉の二世帯住宅」と表現した能力に通ずるものを感じないだろうか。その瞬間、話し相手の女性があなたを見る目が変わることはまちがいない。
 
俺自身はまだ一度もこれに成功していない。早く成功させC難度、D難度、E難度とレベルアップしていき、「ひねり王子」「トーク界のシライ」の称号を得たいものだ。だれかコーチお願いします。
 
でもこれって古舘伊知郎はモテるって話にしかなってないな。