勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

自己啓発本が苦手だ。

自己啓発本が苦手だ。
 
それはなんとなく「意識高い系」に対する反発や、「人の人生の後追いなんてしたくない」という青臭い感情が原因だと思っていた。しかしきのう本屋に行って気がついた。わかってしまった。そういうことではなかったのだ。
 
俺の家の本棚には多くはないがその手のジャンルの本が並んでいる。「ギャンブルで強くなるための本」や「企画術」はいいのだが、問題なのは、それらに次ぐくらいの数であるのが「ストレスで苦しまなくてすむようになろうぜ」系のものであるという事実だ。
 
言うまでもなく、本棚には自分の欲望や悩みの裏返しが並ぶ。つまり俺は「日常生活で強いストレスを感じており」、「それを解消したいと願っている」ことになる。本屋に並んでいるものは、世の中全体の欲望を浮き彫りにしているが、自分の本棚に並ぶタイトルは今の自分の状態をそのまま生写しているのだ。
 
俺が自己啓発本が苦手なのは、この点であった。つまり本棚を眺めれば、「ああ、俺はストレスを解消したいと思っているんだなあ。そりゃあんなことやこんなことがあったらそう思うよね。ああ思い出してきたら嫌な気持ちになってきた」と陰鬱な気分になってしまうからだ。
 
言い換えれば、自己啓発本は処方箋のようなものであり、本棚はカルテがずらっと並んでいるようなものなのだ。そんなものを毎日見ていていい気分になるわけがない。
 
毎日を楽しく過ごすためには、それらの類の本を本棚から取り出し直ちに処分しなくてはならない。しかし俺はまだストレスの解消方法を習得できておらず、本を処分してしまったらやり方がわからなくなり目的を達成できなくなってしまうため、処分してはならない。
 
こうして俺の家の本棚には「ストレスから自由になるための方法論」をテーマにした本が並び、それを目にする俺は毎日をストレスフリーに楽しく生きることができないのである。