これまでいろんな場面で「食べ物は何何が好きだ」という意味のことを言ってきたが、場面場面で異なる食べ物の名を挙げていた。
では、その中での順位付けはどうなっているのか、については、考えたこともなかった。
自分のことだと言うのに、である。
なんという不誠実なことか。
ということで、翻って考えてみた。
やってみて初めてわかったことだが、順位付けは至難を極めた。
なぜならば、「パンケーキとづけマグロはどちらが好きか」なんてこれまで考えたことがなかったからだ。
なぜなかったかと問われれば、それは
「その選択を迫られたことがなかったから」
であり、なぜその機会がなかったかと問われれば、それは
「そんな店が存在しないから」
である。
つまり、逆に言えば、パンケーキを提供する寿司屋があれば、注文する際に
「あーまずはづけマグロにしよっかな、それともやっぱパンケーキにしたろかな」
と考える必要が生まれるのだが、そんな寿司屋はない(少なくとも俺は行ったことがない)から、必要に迫られることがないのだ。
ただ、「そんな寿司屋はない」と言ったが、近いものはすでに存在する。
回転寿司である。
昨今の回転寿司は寿司ネタだけでなく、鶏の唐揚げやプリン、メロン、パフェなどを出しているから、プリンと納豆巻きとメロンと赤貝が流れてきて、「あーどれ取ったろっかな」と悩むのである。
しかし不思議なことに、いくらメロンが好きな人であっても、メロン、メロン、メロンと取ることはないだろうし、まず、最初にメロンを取ることはないだろう。
なぜなら、人間不思議なことに、「寿司屋に行こう」と決めて寿司を食べることを期待した瞬間だけ、順位変動が起こり、8位の中トロが1位のメロンまで一時的に抜き去ってしまう、といった現象が起こる。
また、メロンをずっと食べていると、「もうメロンはええかな」と、満足と共にちょっと冷静な気持ちになって、メロンが勝手に順位を下げていくのである。
こういった一時的、流動的、複雑な順位変動が常に起こっているため、順位付けなど考えてもしょうがない、といいうことに気がついたのだ。
なにが「不誠実」か。
好きな食べ物の順位をつけていなかったことなどよりも、「不誠実と言っておけば反省しているように見えるだろう」という発想のほうが、よほど不誠実ではないか。
とはいえせっかく、ある程度時間をかけて考えたから、発表したいと思う。
以下が順番である。
やってみたら、案外
「あ、俺はこの食べ物がこんなに好きだったのだな」
や、その逆も含めて、いろいろな発見があったから、ぜひやってみてはいかがだろうか。
「あ、あれ忘れてた」って思い出したものがあれば、更新する。