勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

岸田首相が気の毒になってきた

10年ほど前に、とある超突貫のWEB開発案件を担当したことがあった。

俺が担当する前から発注元とのトラブルが絶えず、火消しのために途中からの投入だった。

案の定、公開直後から不具合が多発し、1日に2種の異なる経緯報告書を提出し終えたときに、これは「不運」という表現では生ぬるいと感じ、お祓いに行くことを決めた。

普段あまり頻繁には見ないTwitterをきのう見ていたら、「岸田に殺される」がトレンドにあがっていた。

「岸田」は無論、岸田首相を指していることは、見た瞬間にわかった。

岸田首相といえば、「検討使」と揶揄されるくらい「何もしない」という評価になってしまっているくらいだから、「また何もしないのかよ」という反応ならまだしも、「殺される」というのは「積極的に殺しにかかっている」の裏返しであり、「検討使」に対する反応としては仰々しく感じた。

 

そう思って「岸田に殺される」がバズったきっかけを見てみると、税制調査会で、増税を検討すべき、という意見が出ました」という内容の記事だった。

またしても「検討」である。

まだ「実行」には移されていない。

さらに、岸田首相だって、きっと将来の日本のためを思ってのことであり、決して本当に殺してやろうなんて、1ミリでも考えているわけがないのである。

にもかかわらず、「殺される」である。

岸田首相がTwitterのトレンドを見ているかどうかはわからないが、いくらなんでもひどすぎるのではないだろうか。

岸田さんが首相になってからというもの

コロナウイルスの蔓延(首相になる前からあったが)

ロシアウクライナ戦争

安倍元首相の銃殺事件

自民党内の統一教会問題

急激な円安

台湾有事への懸念

などなど、歴史の教科書に載るであろう大きく難解な問題が、ものすごく短い期間に立て続けに発生している。

これらの問題はゆっくりじっくり腰を据えて「検討」しているような猶予のないものばかりであり、いち早く結論を出して行動に移さなければ、国民からの非難を免れない。

しかし、おそらくだが、岸田首相はとても真面目な性格で、物事に対して誠実な対応をせずにはいられない、そんなタイプの人であろう。

会ったこともないし、「君は人を見る目がないね」と何度か言われたことがあるので、見当外れかもしれないが。

そんな人だから、コロナウイルスのような未知なる疫病が流行したときも、未知なのだからわからないことだらけで当然なのに「僕にはわかんないです」とは言えないし、かといって、わからないけどとりあえず適当なことを言って茶を濁しておくのも、それはそれで不誠実だと考えてしまってできない。

また、国民にとって都合の悪いことも「検討」しなければならないと考えるのも、誠実さの表れといえよう。

「検討使」と異名を取るほど、真面目に、真摯に向き合ってちゃんと考えたい岸田さんにとっては、正直「向いてない仕事」といって過言ではないだろう。

何しろ、正しいと思っていることを誠実にやり続けることで、誰からも非難されてしまうのだ。

そんな地位に就いてしまったのは、不運としか言いようがない。

 

さらに遡れば、「おれもしかして首相になれるんじゃね?」と思ってしまうようなポジションに到達できてしまったことも不運だし、政治家の道を選んでしまったのも、首相就任までの地獄の淵を通る「ヘル・エッジ・ロード」を行くきっかけとなってしまったわけだから、首相の器にない岸田さんが政治家を志したこと自体、不運以外の言葉が思い当たらない。

 

もし岸田首相と会うことがあれば、お祓いに行くことをおすすめしたい。

1回ではきっと足りないくらい不運が積もっているから、200回くらい。

そして、「これ以上やったら腕折れちゃうよ」って思った総合格闘技のレフェリーが、極められている選手に対してギブアップを促すのと同じくらいに、首相という地位のギブアップをオススメしたいと思う。