勝手に更新される毎日

六本木で働くサラリーマンのブログです。やめてくれ、待ってくれと言っているのに、1日1日が勝手に過ぎていきます。

60歳をすぎても平常心で研修を受けられるような人になりたい

 

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3年ぶりに運転免許を更新してきた。
4年前にまるで罠かのように存在した車線変更禁止で引っかかっていたため、ゴールド免許ではなく、一般の講習。
 
免許試験場で撮られる写真は、どうしてああも人相が悪くなるのか。
それはさておき、試験場での話。
 
東陽町の免許試験場に行ったら、日曜日だけあって人が多い、4列にわかれて行列ができている。
試験場に入ってくる人を次々と行列に案内し、「更新のお知らせはがきを用意しておいてください」とアナウンスする職員の男性。
見かけから判断して、おそらく年の頃は60を過ぎているのではないか。
 
「ほーん、まあもうすぐ定年など存在しないことが当然になり、俺らの時代には70すぎてもこういう風に働いてるんやろな…」と思いながら、誘導されるがままに列に並ぶと、あるものが目についた。
その人の左腕には、「研修中」と書かれた腕章がつけられていたのだ。
それを見て、このおっさんというかじじいというか男性といっておくべきか、について、ふと思う。
 
研修とは普通は新人が受けるものであって、それを現在受けているこの人は、年齢に関わらずおそらくこの職場では新人なのであろう。
本人が望んで新しい環境に身を投じたのか、それともそうせざるを得ない状況に陥ってしまったのかは知る由もないが、俺はこのおっさんを見て、「かっこいい」と思ってしまった。
というのも、人間は歳を重ねるにつれて自尊心も肥大化し、「この俺がどうして見習い扱いされなければならんのか。なめているのか」と思い、ひいてはそのとおりの発言をし、ひどいケースでは暴れたり帰宅したりしてしまうものだからだ。
ところが「研修中」の腕章をつけるという行為は、「私が至らぬのは、それはこの職場において新人、見習いの立場であり、それを予告しておきますから何卒ご容赦ください」と言っているのと相違なく、このおっさんは人間の摂理に真っ向から立ち向かっていると言える。
「研修中」という腕章をつける60歳すぎのおっさんや、つけさせる職場はなかなかパンクではないか。
 
もっとも、最近はAIだかなんだかの誕生で、これまで成立し得た職業がバンバン廃業に追い込まれる時代になるはずだから、パンクというか、こっちの方が求められる主流な考え方になってくるだろう。
 
新人として生き、新人として死ぬ。
そういう大人になりたい。
 
でも、金には困りたくない。